メンバー

桑原 佑典(特任助教)

Yusuke Kuwahara

研究の興味

私はこれまで,主に新生代の環境変動(氷期-間氷期サイクルや古第三紀の温暖化イベントなど)における,物質循環に関する研究を行ってきました.とりわけ,現在進めている博士研究では,地球表層におけるCO2濃度の制御に大きく関与しているとされる,「珪酸塩鉱物の化学風化」に注目し,このプロセスが古第三紀の温暖化イベントからの回復にどのような役割を果たしたのかを,海底堆積物コア試料の同位体分析(特に,オスミウム同位体分析)を通じて明らかにしたいと考えています.

このほか,日本列島付加体中に存在する,中・古生代に堆積した鉄やマンガンに富む堆積物(アンバー)を用い,その化学組成から堆積当時の海洋環境の復元も試みているなど,新生代に限らず,地球史全体に興味を持って研究を行っています.

将来の展望として,先カンブリア時代の地球環境の解読にも挑戦したいと考えています.そして,地球史46億年の中での環境変動のメカニズムを解明し,生命と地球の共進化を理解するのが目標です.


Research Gate

Yusuke Kuwahara (researchgate.net)


査読付き論文

  1. Kuwahara, Y., Fujinaga, K., Nozaki, T., Ohta, J., Yano, M., Yasukawa, K., Nakamura, K., Kato, Y., 2022. Iron deposition during recovery from Late Devonian oceanic anoxia: Implications of the geochemistry of the Kawame ferromanganese deposit, Nedamo Belt, Northeast Japan. Global and Planetary Change 216, 103920. https://doi.org/10.1016/j.gloplacha.2022.103920
  2. Kuwahara, Y., Yasukawa, K., Fujinaga, K., Nozaki, T., Ohta, J., Sato, H., Kimura, J.-I., Nakamura, K., Yokoyama, Y., Kato, Y., 2021. Rapid coupling between solid earth and ice volume during the Quaternary. Scientific Reports 11, 5695.  https://doi.org/10.1038/s41598-021-84448-7
  3. Fujinaga, K., Nakamura, K., Ohta, J., Yano, M.,  Kuwahara, Y., Yasukawa, K., Takaya, Y., Nakayama, K., Nozaki, T., Kato, Y., 2021. Umber as a lithified REY-rich mud in Japanese accretionary complexes and its implications for the osmium isotopic composition of Middle Cretaceous seawater, Ore Geology Reviews 142(3-4),104683. https://doi.org/10.1016/j.oregeorev.2021.104683


査読なし論文

  1. Kuwahara, Y., Yasukawa, K., Tanaka, E., Nakamura, K., Ikehara, M., Kato, Y., 2023. Multi-elemental Statistical Features of Early Paleogene Sediments from the Mid-latitude Eastern Indian Ocean. ESS Open Archive, https://doi.org/10.22541/essoar.170365304.42055881/v1


学会発表

  1. 桑原 佑典,池上 翔,安川 和孝,宮崎 隆,田中 えりか,中村 謙太郎,加藤 泰浩,始新世「超温暖化」における生物生産性:Ba 安定同位体比に基づく考察.2023年度地球環境史学会,R21,金沢,2023年12月.
  2. Kuwahara, Y., Ikegami, K., Yasukawa, K., Miyazaki, T., Tanaka, E., Nakamura, K., Kato, Y. Long-term variation of barium stable isotope ratio as a proxy for paleo-productivity during the Paleogene “Hothouse” world. (Oral) Goldschmidt 2023 Lyon, France, July 14, 2023.
  3. Yano, M., Yasukawa, K., Fujinaga, K., Ohta, J., Kuwahara, Y., Nakayama, K., Nakamura, K., Kato, Y. Os isotopic composition of Early Cretaceous seawater reconstructed from umber deposit in the Japanese accretionary complex. (Poster) Goldschmidt 2023 Lyon, France, July 13, 2023.
  4. 桑原 佑典,安川 和孝,大田 隼一郎,矢野 萌生,見邨 和英,田中 えりか,藤永 公一郎,中村 謙太郎,加藤 泰浩,始新世温室地球における気候の長期トレンドの要因:海水オスミウム同位体比に基づく考察.日本地球惑星科学連合大会,MIS15-02, 千葉・幕張,2023年5月.
  5. Kuwahara, Y., Yasukawa, K., Ohta, J., Yano, M., Mimura K., Tanaka E., Fujinaga, K., Nakamura, K., Kato, Y. The Paleogene Seawater Os Isotope Record of the Indian Ocean: Implications for the chemical weathering feedback against Eocene Hyperthermal Events. 12th In­ter­na­tional Con­fer­ence on Cli­matic and Bi­otic Events of the Pa­leo­gene (CBEP12), A-108 (Poster), Bremen, Germany, Aug. 25, 2022.
  6. 桑原 佑典,安川 和孝,大田 隼一郎,矢野 萌生,見邨 和英,田中 えりか,藤永 公一郎,中村 謙太郎,加藤 泰浩,インド洋の炭酸塩堆積物より復元した古第三紀の海水Os同位体比記録:始新世「超温暖化」イベントにおける化学風化フィードバックへの示唆.日本地球惑星科学連合大会,MIS18-22, 千葉・幕張,2022年5月.
  7. 池上 翔,安川 和孝,田中 えりか,大田 隼一郎,桑原 佑典,矢野 萌生,藤永 公一郎,中村 謙太郎,加藤 泰浩,中央北太平洋の古海水Os同位体記録に基づく古第三紀温室地球の化学風化と火成活動に関する考察.日本地球惑星科学連合大会,MIS18-21, 千葉・幕張,2022年5月.
  8. 桑原 佑典,インド洋 ODP Site 762C コアの地球化学:始新世超温暖化イベントへの示唆.高知大学海洋コア総合研究センター 2021年度共同利用・共同研究成果発表会,O-08, 高知,2022年2月.
  9. Kuwahara, Y., Yasukawa, K., Fujinaga, K., Nozaki, T., Ohta, J., Sato, H., Kimura, J.-I., Nakamura, K., Yokoyama, Y., Kato, Y. Fluctuation of Marine Osmium Isotope Ratio during the Quaternary Climate Cycles. Goldschmidt 2021 Virtual, July 6, 2021. https://doi.org/10.7185/gold2021.5491
  10. 桑原 佑典,藤永 公一郎,野崎 達生,大田 隼一郎,安川 和孝,中村 謙太郎,加藤 泰浩,早池峰帯川目鉄マンガン鉱床の地球化学 ―デボン紀後期海洋環境への示唆―.日本地球惑星科学連合大会,BCG-04-03, オンライン口頭発表,2021年6月.
  11. 小田 裕太,大田 隼一郎,田中 えりか,安川 和孝,桑原 佑典,矢野 萌生,藤永 公一郎,中村 謙太郎,加藤 泰浩,Os同位体比層序に基づく南鳥島周辺深海堆積物の複数のレアアース濃度 ピークの堆積年代.日本地球惑星科学連合大会,MIS28-05, オンラインポスター発表,2021年6月.
  12. 池上 翔,安川 和孝,田中 えりか,大田 隼一郎,桑原 佑典,矢野 萌生,藤永 公一郎,加藤 泰浩,Os同位体分析に基づく古第三紀超温暖化イベントにおける化学風化フィードバックの考察.日本地球惑星科学連合大会,MIS16-P23, オンラインポスター発表,2021年6月.
  13. 桑原 佑典,石田 美月,小林 澪生,大沼 勝弥,加藤 泰浩,十和田湖周辺地域における「ジオ」の魅力の再発見とその地域振興への展望.日本地球惑星科学連合大会,MIS21-P07,オンラインポスター発表,2020年7月.
  14. 桑原 佑典,安川 和孝,藤永 公一郎,野崎 達生,大田 隼一郎,佐藤 峰南,木村 純一,中村 謙太郎,加藤 泰浩,氷期-間氷期サイクルにおける固体地球のフィードバック応答:海洋Os同位体マスバランスに基づく制約.日本地質学会第126年学術大会,R22-O-8,山口,2019年9月.https://doi.org/10.14863/geosocabst.2019.0_287
  15. 桑原 佑典,安川 和孝,藤永 公一郎,野崎 達生,大田 隼一郎,佐藤 峰南,木村 純一,中村 謙太郎,加藤 泰浩,南西太平洋ラウ海盆の遠洋性堆積物から復元された第四紀海水のOs同位体比とその全球的気候変動に対する示唆.日本地球惑星科学連合大会,MIS19-21, 千葉・幕張,2019年5月.


受賞歴

  1. 桑原 佑典,「令和4年度東京大学大学院工学系研究科長賞 (研究)」, 2023年3月.
  2. 桑原佑典.日本地球惑星科学連合2022年大会 「学生優秀発表賞 (地球生命科学セクション)」 2019年5月.
  3. 桑原 佑典.高知大学海洋コア総合研究センター 2021年度共同利用・共同研究成果発表会「学生最優秀発表賞」, 2022年3月.
  4. 桑原 佑典.「2019年度システム創成学専攻玉木賞」, 2020年3月.
  5. 桑原 佑典,「平成29年度東京大学工学部長賞 (学修)」, 2018年3月.
  6. Yusuke Kuwahara, 7th International Earth Science Olympiad (Mysore, India), Silver Medal, 2013年9月. (第7回国際地学オリンピック銀メダル受賞)


その他

  • 日本学術振興会特別研究員(DC1) 「多元素同位体比に基づく古第三紀環境変動と有用元素濃集機構の因果律の解明」
  • 東京大学 「未来社会空間の創生 国際卓越大学院 WINGS iFS」 修了
  • 東京大学「フィールドスタディ型政策協働プログラム」
  • 資源・素材塾 2018, 一般社団法人 資源・素材学会
  • 学芸員資格
  • 生物分類技能検定2級 (動物編)一般財団法人 自然環境研究センター


趣味など

幼少期(3歳くらい)に化石の採集を始めたことをきっかけとして,それ以来化石や鉱物の収集が一番の趣味となっています.休みの日にはよく化石や鉱物の採集に出かけるほか,古銭や土器・石器類も収集しています.最近では本格的に昆虫採集をするようになり,特にオサムシ・ゴミムシ類を中心に採集と標本作成に力を入れています.

そのほか,ビーチコーミングを趣味としており,貝類(主にタカラガイやイモガイ類),および陶片(特に南宋でつくられた鎌倉時代の青磁)を収集しています.また,小学生のときから継続して地衣類(いわゆるコケと呼ばれるもののうち,菌類と藻類が共生しているもの)の研究や収集も行っています.


旅行も趣味にしており,これまでに国内外の各地を訪れています.また,自然史系・人文系を問わず,博物館や美術館の見学も趣味としており,旅先では常に博物館に立ち寄るようにしています.


報文(趣味関連)

  1. 桑原佑典・中村涼,2024.「宮古島におけるゴミムシ類3種の記録」さやばねニューシリーズ, 53, 13-14.
  2. 桑原佑典, 2023.「佐渡島におけるホシベニカミキリの追加記録」月刊むし, 630, 57.
  3. 桑原佑典, 2021. 「チビクワガタを千葉県佐倉市で採集」月刊むし, 606, 52.
  4. 桑原佑典, 2021. 「佐倉市から確認された注目すべきゴミムシ3種」房総の昆虫, 69, 53-54.