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2025.11.13論文・研究

Woods Hole海洋研究所・Ann Dunlea博士らと安川和孝准教授・田中えりか助教 (高知大)・加藤泰浩教授の原著論文 Geochimica et Cosmochimica Acta誌に掲載

ウッズホール海洋研究所のAnn G. Dunlea研究員と安川和孝准教授,田中えりか助教 (高知大),加藤泰浩教授による原著論文がGeochimica et Cosmochimica Acta誌に掲載されました.本研究では,当研究室がこれまでに発表した2000試料を超える深海堆積物の化学組成データセットの再解析により,太平洋の深海堆積物に取り込まれる「過剰な」カリウム (K) とマグネシウム (Mg) のフラックスの存在を明らかにしました.また,この「過剰な」KおよびMg取り込みフラックスは,新生代前期から現在に向かって減少傾向にあることも示しました.これらのKおよびMgは,reverse weatherting によって自生粘土鉱物に取り込まれた可能性があります.Reverse weathering とは,陸上で起こる岩石の化学風化の逆反応で,海洋中のシリカや陽イオンから自生粘土鉱物が生成するプロセスであり,CO2の生成を伴います.本研究の結果は,新生代を通じて reverse weathering が弱まってきたことを示唆しています.もしそうならば,これはグローバルな炭素循環にも影響し,大気CO2濃度の変化を介して新生代の長期的な気候変動の一因となってきた可能性があります.