社会貢献

社会連携講座 「真にインクルーシブな自然体験学習システムの創成」


 

ヒューリック株式会社(代表取締役社長:前田隆也、以下、ヒューリック)と国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科(研究科長:加藤泰浩、以下、東京大学)は、五感を用いて自然を深く学ぶ体験を、環境や境遇に関わらず全ての子ども達が得ることのできる新たな「学習の場」を創成するため、社会連携講座「真にインクルーシブな自然体験学習システムの創成」を2023年4月1日に開設しました。


ヒューリックは、環境配慮経営を推進し、地球環境保護という課題に積極的に取り組むとともに、社会貢献活動を通じて社会全体の継続的な発展に寄与してきました。子ども達の地球環境に対する興味と理解を育み、インクルーシブな学習環境の創成を目的とする本講座の趣旨に深く賛同し、今般、本講座の開設にいたりました。ヒューリックは、子ども向け環境教育分野における新たな価値創造を支援していきます。


社会連携講座の概要

【設置期間】
2023年4月1日 から 2026年3月31日(3年間)

【担当教員】
加藤 泰浩 (国立大学法人東京大学大学院工学系研究科 工学系研究科長・工学部長/教授)
大田 隼一郎(同研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター 講師)
桑原 佑典 (同研究科システム創成学専攻 特任助教)
玉城 絵美 (同研究科システム創成学専攻特定客員大講座 教授)

【研究内容】

・ 体験型学習にICT機器と高速ネットワークを組み合わせた、遠隔でも臨場感あふれる体験を得られる教育用通信システムの構築
・ 重量感覚や抵抗感覚などの人体の固有感覚を遠隔共有する「ボディシェアリング」を活用した、遠隔でも実感を伴う体験学習を可能とする技術の開発
・ 実空間とメタバース空間をICTにより融合した、対面参加と遠隔参加の子ども達が交流しながら自然を学ぶことのできるインクルーシブ自然体験学習イベント「自然に学ぶみんなの学校」の実施、学習効果と社会的インパクトの評価、一連の開発を通じた人材育成
・ 長期入院中の子ども達が遠隔で体験学習に参加することのできる環境の構築と、インクルーシブ自然体験学習イベントにおける実証

「自然に学ぶみんなの学校」  ホームページはこちら


「自然に学ぶみんなの学校」は、これまでに工学系研究科が実施してきた「自然に学ぶ夏の学校 むし・ほし・いしの2泊3日」と同様に、むし(昆虫)、ほし(星空・天体)、いし(岩石・鉱物)に関する体験活動を実施します。さらに、それらの活動にICT機器を導入することで2Dメタバース上に配信し、主体的・能動的にオンライン参加できるプラットフォームを開発します。また、入院中や長期療養中の子ども達も参加できるよう、身体感覚を共有する「ボディシェアリング」技術をメタバースと組み合わせることで、「実感を伴う自然体験」そのものを遠隔共有するシステムも開発・実装します。


また、「自然に学ぶみんなの学校」では、運営のお手伝いを通じてインクルーシブ自然体験学習システム開発に携わっていただく学生ボランティアを募集します。学生ボランティアの皆さんには、「自然に学ぶみんなの学校」における、子供たちの引率・監督、ICT機器の管理・操作、安全管理、自然体験学習実施補助、入院中の子ども達の参加補助、などを行っていただきます。この活動の中で、自ら積極的にやるべきことを見つけ出して参加していただきたいと考えています。そして何より、ボランティアの方にも、子ども達との自然体験学習をぜひ心から楽しんでもらいたいと思っています。



鉱物資源フロンティアミュージアム “ミネラフロント


東京大学大学院工学系研究科と千葉工業大学は、日本の鉱山から産出した貴重な鉱石鉱物標本と、深海、宇宙に眠る未来の資源に関する最新の研究成果を展示する展示室「鉱物資源フロンティアミュージアム“ミネラフロント”」2023年5月13日に開館しました。

かつて「黄金の国ジパング」と称された日本列島は、世界有数の活発な地質活動が生み出した鉱物資源の宝庫です。その鉱物資源の眠る未知なる領域―鉱物資源フロンティア―の開拓は、現代社会の発展を支えてきました。今、私たちは膨大な量のレアメタルを秘める新たな資源のフロンティアとして深海、さらには宇宙を目指しています。ミネラフロントは、わが国で産出した壮麗な鉱物標本を収集・公開するとともに、フロンティア資源の開拓に向けた最新の研究成果を発信します。


【名称】
鉱物資源フロンティアミュージアム“ミネラフロント” 
ホームページはこちら
The Museum of Mineral Resources Frontier “MINERAFRONT”


【展示内容】

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場所  :工学部3号館4階北側ラウンジ
展示概要:画像、映像、実物による複合展示
展示物 :国産鉱石鉱物標本、フロンティア資源標本(レアアース泥、マンガンノジュール、マンガンクラスト、鉄隕石)、鉱石鉱物の高画質画像、レアアース泥コアレプリカ、しんかい6500潜航調査映像、各種解説
開館時間:平日10:00~17:00、詳細はホームページなどで告知


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          場所  :工学部3号館4階431号室

          展示概要:日本の鉱山から産出した美麗な鉱物標本を間近で鑑賞できる展示室

          展示物 :国産の貴重な鉱物標本(金銀鉱石、銅・鉛・亜鉛鉱石、鉄鉱石、マンガン鉱石、水晶、など)

          開館時間:月2回程度開室、詳細はホームページなどで告知


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「自然に学ぶ夏の学校 むし・ほし・いしの2泊3日」



2015年~2022年にかけて,毎年8月にさいたま市立の小・中学生を対象として,「自然に学ぶ夏の学校 むし・ほし・いしの2泊3日」を開催しました.福島県南会津町にある舘岩少年自然の家にご協力頂き,昆虫採集 (灯火採集),天体観測,鉱物採集・観察などを通して自然に親しみ理解を深めるとともに,自然科学に対する子供達の興味・関心を涵養することを目的としたアウトリーチ活動です.

2020~2022年度は新型コロナウイルス感染拡大のため現地での実施は叶いませんでしたが,東京大学・南会津・さいたま市を結ぶ形でオンラインにて開催し,様々な学習を行いました.